アオイの好奇心

筆者(アオイ)の個人的な好奇心に基づいて、自由気ままに綴るブログです。

Social theme books 第7回「15歳からのファイナンス理論入門」ダイヤモンド社

新書ばっかりやね、と言われそうなので(誰に?)

ソフトカバーだけど単行本も読みますよ、という回です。

「15歳からのファイナンス理論入門」ダイヤモンド社、 慎泰俊著。

 

15歳からのファイナンス理論入門―桃太郎はなぜ、犬、猿、キジを仲間にしたのか?

15歳からのファイナンス理論入門―桃太郎はなぜ、犬、猿、キジを仲間にしたのか?

 

 「ファイナンス理論」なんて言うと、「なんだ、お金の話か...」というそこのあなた、

ファイナンス理論がカバーしているのはそこだけじゃないですよ、という一冊。

 

サブタイトルは「桃太郎は、なぜ、犬、猿、キジを仲間にしたのか?」。

 

講義形式で展開していくものの、中学生でも理解できるレベルに噛み砕いた話になっており、とても読みやすい。また、お金の話だけ、ということでもない。

冒頭、「この授業をしなければならないと思った」理由として、以下の3つを著者は挙げている。

●不確かさとうまく付き合っていくことはとっても大切なのに、学校では学ばない

●「ちょっとしたこと」を知っていたらダマされにくくなるのに、そのことを学校では学ばない

●ファイナンス理論を勉強しておくと、世の中のいろいろな仕組みがわかりやすくなる

 

というわけで、「ファイナンス理論を学ぶことを通して、世の中をより理解しやすくなる」一冊とでも言うべき良書である。

 

また、ファイナンス理論に対するよくある誤解として、

「ファイナンス理論はお金に関するものだ」→

 すべての「不確かなこと」に対応できる、「人類の知恵」です。

 

「ファイナンス理論がわかったら、楽にお金もうけできる!」→

 理論は「何かを変えること」を教えてくれるものではなく、むしろ「何ができて、何ができないのか」を教えてくれるもの。

という感じに、冒頭でうまく誤解を解いた上で話を進めてくれるので、授業内容がすっと入ってくる。

 

「リスク(危険ではなく不確かさ)とリターン」

「リスク分散」

「現在価値と将来価値」

「国語」「社会」「ホームルーム」「放課後」といった章立て。

なにそれ?と思った人は、ぜひこの本を手に取ってみてほしい。

 

ファイナンス理論という、一見するとお金もうけの話に限った話のようでいて、

世の中の様々な物事を考えるのに役立つ「考え方、ものの見方」が身に付く、

そして中学生にも理解できるレベルの、とても分かりやすい入門書。

「ファイナンスなんて知らないよ」というあなたにこそ読んでもらいたい一冊。

オススメです。

 

追伸:この本の著者、慎泰俊(しん・てじゅん)氏とは同い年で、

Twitterをフォローしているのでとてもいい刺激を受けている。

いずれこのブログのシリーズで取り上げることになると思うが、

「ソーシャルファイナンス革命」も読ませて頂こうと思っている。

個人的に(一方的に)応援している同い年の人の一人である。