Social theme books 第7回「15歳からのファイナンス理論入門」ダイヤモンド社
新書ばっかりやね、と言われそうなので(誰に?)
ソフトカバーだけど単行本も読みますよ、という回です。
「15歳からのファイナンス理論入門」ダイヤモンド社、 慎泰俊著。
15歳からのファイナンス理論入門―桃太郎はなぜ、犬、猿、キジを仲間にしたのか?
- 作者: 慎泰俊
- 出版社/メーカー: ダイヤモンド社
- 発売日: 2009/04/17
- メディア: 単行本
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「ファイナンス理論」なんて言うと、「なんだ、お金の話か...」というそこのあなた、
ファイナンス理論がカバーしているのはそこだけじゃないですよ、という一冊。
サブタイトルは「桃太郎は、なぜ、犬、猿、キジを仲間にしたのか?」。
講義形式で展開していくものの、中学生でも理解できるレベルに噛み砕いた話になっており、とても読みやすい。また、お金の話だけ、ということでもない。
冒頭、「この授業をしなければならないと思った」理由として、以下の3つを著者は挙げている。
●不確かさとうまく付き合っていくことはとっても大切なのに、学校では学ばない
●「ちょっとしたこと」を知っていたらダマされにくくなるのに、そのことを学校では学ばない
●ファイナンス理論を勉強しておくと、世の中のいろいろな仕組みがわかりやすくなる
というわけで、「ファイナンス理論を学ぶことを通して、世の中をより理解しやすくなる」一冊とでも言うべき良書である。
また、ファイナンス理論に対するよくある誤解として、
「ファイナンス理論はお金に関するものだ」→
すべての「不確かなこと」に対応できる、「人類の知恵」です。
「ファイナンス理論がわかったら、楽にお金もうけできる!」→
理論は「何かを変えること」を教えてくれるものではなく、むしろ「何ができて、何ができないのか」を教えてくれるもの。
という感じに、冒頭でうまく誤解を解いた上で話を進めてくれるので、授業内容がすっと入ってくる。
「リスク(危険ではなく不確かさ)とリターン」
「リスク分散」
「現在価値と将来価値」
「国語」「社会」「ホームルーム」「放課後」といった章立て。
なにそれ?と思った人は、ぜひこの本を手に取ってみてほしい。
ファイナンス理論という、一見するとお金もうけの話に限った話のようでいて、
世の中の様々な物事を考えるのに役立つ「考え方、ものの見方」が身に付く、
そして中学生にも理解できるレベルの、とても分かりやすい入門書。
「ファイナンスなんて知らないよ」というあなたにこそ読んでもらいたい一冊。
オススメです。
追伸:この本の著者、慎泰俊(しん・てじゅん)氏とは同い年で、
Twitterをフォローしているのでとてもいい刺激を受けている。
いずれこのブログのシリーズで取り上げることになると思うが、
「ソーシャルファイナンス革命」も読ませて頂こうと思っている。
個人的に(一方的に)応援している同い年の人の一人である。