人と本の関係性をより良くする、という目標。
僕は地元の新刊書店に勤めるフリーターです。
だから職業を聞かれたときは、書店員と答えるようにしています。
レジ打ちのアルバイトから始めて、かれこれ6年とか7年とかの勤務。
その間、ずっと頭のどこかで
「良い本屋さんって何だろう」「面白い本って何だろう」
「どうやったら自分も面白い本屋さんになれるだろうか」
そんなことを考えてきました。
そんな自分には、本に関してひとつテーマというか、目標みたいなものがありまして。
それがタイトルの「人と本の関係性をより良くしたい」というものです。
いやあ、自分で言うのもなんですけど、青臭い目標ですよね。
ちょっと人前で言うのは恥ずかしい面もあるのです。
どちらかと言えば辺境の地に住む、さほど読書量もない、
正社員でもない、特別な力もない、なんちゃって書店員。
そんな奴が抱く目標としては、あまりにも壮大ですよね。
僕一人が頑張ったところで、どれだけの人に対して、本との関係性を良く出来るだろう。
まあ、そういうのは棚に上げてしまい、話を続けます。
一日平均数百タイトルの新刊が毎日出版され、
沢山の本が詰まった棚から、自分にぴったりくる一冊を見つけるのは至難の技。
良い本、面白い本、その人に合う本。
それはどこかに確かに在るのだけれど、
本と雑誌の洪水に埋もれてしまって、そう簡単には出会えない。
だからこそ思うのです。人と本にはもっと良い出会い方があるはずだと。
本屋の棚で見かけた。書評で知った。ネットの記事で見つけた。
アマゾンでオススメされた。どこかのランキングで見かけた。
それら全て、正当な人と本の出会い方だと思います。
でも、その一歩先、半歩先にあるもの。
例えばそれは工夫された本棚。
例えば強力な熱量を帯びたカスタマーレビュー。
正解は決してひとつではないけれど、
僕は僕にできる方法と範囲で、自分の周囲にいる人達に、
良い本、面白い本、その人に合う本と出会って欲しいと願っているし、
そのために様々な行動をしています。
書店員に向けたインタビューを受けて、インタビュアー(と、その向こうにいる人達)のために本棚を作ってみたり。
「これは友達数人にオススメできるな」という本を自腹で買って、現物を持って紹介して回ったり。
SNSを使ってオススメの本を紹介したり。
お店を持つ職人さんの友達のために、お店の本棚を作るのを手伝ったり。
屋外で読書するイベントを企画しようとしてみたり。
最近では、自分の街で本のイベントを開くお手伝いをしています。
現在の職場では、本棚を触らせてもらえない立場なので、
本職以外のところで、いろいろな取り組みをしています。
偉そうに語ってはいるものの、
「人と本のより良い関係性」って何なのか、まだ自分自身でもよく分かっていません。
でも、「この本とあの人は合うんじゃないかな」と思うところがあれば、
僕はそこに橋渡しをしたいと思うのです。
こういった取り組みをしていても、給料が増えたりする訳でも何でもないのですが、
人と本を上手に繋ぐことが出来たときは、なんとも言えず嬉しい気持ちになります。
暗中模索。どんなアプローチが正しいのか、押し付けがましくなってないか。
悩みつつもがきつつ、人と本の関係性をより良くするべく、
これからも地道に活動していけたらいいなと思っております。
大した力量はありませんが、本についてのご相談があれば承ります。
書店員かつアクティビストを目指して、これからも頑張ります。